クックチルにデメリットはある?再加熱カート導入の課題点とは
再加熱カートは、安全性と効率性を高めて、品質を一定にする優れものです。食材の急速冷却、保存、再加熱が可能です。病院、学校給食、飲食店などで逐次導入されていますが、まだ導入を迷っている人もいるでしょう。今回は、デメリットも交えて魅力を紹介します。ぜひ参考にしてください。
病院などを中心に多く普及が広がるクックチルシステム
さまざまな場面で活用されています。
新調理システムのこと
食材を調理した後に、急速に食材を冷却して保存するシステムです。また、食事の時間までに再加熱できるので、温かいものは温かい状態で、冷たいものは冷たい状態で食べられます。冷却、保存、再加熱が1台で完結するので、操作も簡単です。
クックサーブよりも悩みの解決に役立つ
病院、学校給食、飲食店などで活用されています。食中毒の発生を予防し、おいしく料理を提供できるので、食品衛生と品質管理の観点からも信頼できます。
また、食材を5日間程度保存できるので、料理人や管理栄養士が作った食事を再加熱して、おいしい状態で提供することも可能です。衛生管理が難しく、マニュアル化が困難だったクックサーブの悩みを解決しています。
病院の事例
クックサーブを導入していた頃は、食事の盛り付けのために職員が勤務していました。
しかし、クックチルを導入した後は、盛り付けのために職員が勤務する必要はなくなりました。そして、おいしい食事を入院患者に提供できるようになったので、満足度が向上しました。
学校給食
1日1万人の学校給食を作るために早朝から勤務していましたが、クックチルを導入した後は、早朝から勤務する必要がなくなりました。
また、食材を再加熱するだけなので、業務の負担が軽減しました。製造量が多いですが、再加熱することにより、温かい状態で学校給食を提供できるようになり、児童からも好評です。
飲食店
あるラーメン店は、サテライトキッチンを導入しています。人件費を削減するためにクックチルで再加熱したラーメンを、ラーメンどんぶりに盛り付けるだけで簡単にお客さんに提供できるようになりました。
また、提供時間の短縮を図れたことにより、店の回転率も向上しました。
クックチルは効率・安全性向上に役立つ
メリットを4つ紹介します。
安全性が高い
細菌や微生物の繁殖を抑えるので、衛生面で優れています。大量の食事を冷蔵庫で冷やすには業務用の冷蔵庫が必要ですが、クックチルは、冷蔵庫の役割だけではなく再加熱も可能なので、高い安全性とおいしさを追求できます。
効率が上がる
すでに調理した料理を再加熱するだけなので、職員の負担を軽減できます。病院や施設などでは、朝食、昼食、夕食の前に調理時間が設けられていますが、あらかじめ調理した料理をセットするだけなので、職員の勤務時間を減らせます。
とくに、朝食を作るために夜明け前から勤務する負担が減るでしょう。職員の負担が軽減したぶん、職員にほかの業務を任せられたり、職員の人数を減らすことで人件費を削減できたりするので、経営にとってもプラスになります。
品質が安定する
レシピのマニュアル化が可能なので、特定の料理人しか作れないメニューがなくなります。いつでも、誰が料理を担当しても、同じものが提供できるので、病院、施設、学校給食などの品質や栄養管理が重要視されている場面では有効です。
管理栄養士が携わっているメニューも保存しておけば提供できるので、管理栄養士が不在の日でも、同じ品質の食事を提供できます。
コスト削減
人件費と運送費の削減に期待できます。まず人件費は、職員の人数の削減と勤務時間の短縮を図れます。ピーク時であっても人数を増員する必要はなくなります。また、早い時間から出勤する必要がありません。
次に運送費は、食材を運搬する頻度が減少します。これにより、計画的に食材を使用できるようになります。
また、食材を廃棄する量も抑えられるので、食材費の節約になります。このように、コスト削減ができることでスマートに経営できるようになります。
クックチルにもデメリットがある?
メリットばかりではありません。デメリットを2つ紹介します。
スペースの問題がある
専用の機械が必要なことに加え、広いスペースが必要なのがデメリットです。広いスペースがないと導入を諦めてしまうことになりそうです。
相性がよくないメニューがある
すべての食材が再加熱することで、おいしさを取り戻すわけではありません。やはり、冷却して再加熱するので、揚げ物、炒め物、焼き魚などのメニューは、おいしさが低下するでしょう。
学校給食では、児童の好物であるメニューをおいしく提供できないことにより、そのエピソードが保護者に伝わりクレームが学校に入る可能性もあります。そのため、それを補完する方法を検討しておくことが必要になるでしょう。
まとめ
今後クックチルはますます導入事例が増えていくでしょう。それに伴い、現在デメリットとして挙げられている、スペースの問題や相性がよくないメニューについて改善されていくかもしれません。
事実、スペースの問題を解決するために、小型の製品がすでに導入されています。これにより、小規模の飲食店や通所介護施設などで普及していくことになるでしょう。