美味しい病院食とまずい病院食は具体的に何が違う?
「病院食」と聞いて「美味しくない」というイメージを持つ方、多いのではないでしょうか。また、そんなイメージを覆すべく、何か方法はないかと模索している病院食関係者の方も多いでしょう。この記事では、おいしい病院食とまずい病院食の違いと、再加熱カートについて解説します。
病院食がまずいのはなぜ?
そもそもなぜ、病院食はまずいと思われてしまうのでしょうか?見た目が美味しそうに見えない、本当に味が美味しくないなどの理由のほか、冷めた料理が出てくる、食事の種類が少ない、食べる時間が短いなどの理由も、病院食がまずいと思われてしまう原因になっています。
また、病院で患者に提供される食事は、一般食だけではありません。高齢の方や、病気によって噛む力や飲み込む力が弱くなっている方に向けた、軟食やきざみ食、流動食、ペースト食のようなものもあります。
ほかにも、病気の治療のために、塩分を控えた食事、糖尿病食、食物繊維が豊富な食事、肉類の脂が少ない食事、腎臓病食など、患者一人一人に合わせた食事が提供されているのです。そのため、どうしても家で食べる食事よりもまずく感じてしまいます。
しかし、患者の体を考えた栄養バランスのよい食事を提供しても、患者が食べなければ意味がありません。病院食を嫌がって食事を摂らないことで、栄養失調になってしまったり、ますます体が弱ってしまったりするリスクもあります。患者が回復するためにも「おいしい病院食」というのは必要なものなのです。
美味しい病院食とはどのようなもの?
まずいというイメージを持たれやすい病院食ですが、おいしい病院食ももちろんあります。では、おいしい病院食にはどのような特徴があるのでしょうか。おいしい病院食の特徴を見ていきましょう。
見た目が美味しそう
どんなにおいしい食事でも、見た目が悪いと食べる気が失せてしまいます。これは、病院食に限ったことではないでしょう。そのため、おいしい病院食も、まず見た目が美味しそうという特徴があります。その見た目は、食事の盛り付け方法はもちろん、おぼんや食器を含めた彩りも関係します。
食事を選べる
おいしい病院食を提供しているところの中には、患者様によって、いくつかのメニューから食べるものを選択できるところがあります。和食、洋食、パン、ご飯などから選択でき、自分で選んで「自分が食べたい物を食べる」ということが、また食事を美味しく感じさせるのでしょう。
季節や行事に合った献立
おいしい病院食は、季節に合った食材を使ったり、行事に合わせた献立を立てたりしているところが多いです。食事を通して季節を感じることは、患者にとって嬉しいことでしょう。また、ひな祭りやクリスマスなど、行事に合った特別メニューを用意することで、患者の気分も盛り上げることができます。
食事時間が長い
食事時間を長くとることで、食事をゆっくり味わうことができ、病院食がおいしいと感じられる方が多いです。
食事に適した状態で出てくる
先ほど病院食がまずい原因として、料理が冷めているという原因を挙げました。とくに、何人も患者が入院している大きな病院の場合、配膳に時間がかかり、提供するころには料理が冷めてしまっているということも、珍しくないでしょう。
しかし、おいしい病院食は、温かい料理は温かい状態で、冷たい料理は冷たい状態で出てくるという特徴があります。病院食をおいしいと感じてもらうためには、料理を適温で出すということは非常に重要なのです。
また、でき立ての温かい料理は、おいしいと感じるだけでなく、消化・吸収がしやすい、ストレスが和らぐ、心身共に温まるといったメリットもあります。
再加熱カートを使えばでき立ての食事を利用者に提供できる
おいしい病院食を提供するためにはさまざまなポイントがありますが、なかでも「食事に適した状態で出す」というのはとても重要なポイントです。見た目も彩りがよく、味もとてもおいしいのに、冷めてしまってはもったいないからです。
そこでおすすめなのが「再加熱カート」の導入です。再加熱カートを利用することで、すべての患者にでき立ての食事を提供できます。ではその再加熱カートとは、一体どのようなものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
再加熱カートとは
再加熱カートでは、加熱調理した料理を急速冷却し、チルド状態にしたあと盛り付けをして、カート内にセットします。その後、配膳時間になったら再加熱され、患者に提供するというシステムです。再加熱カートを導入する最大のメリットは、配膳時間に合わせて、全食を再加熱することで、温かい食事を患者に提供できる点です。
また、カート内で温かいものと冷たいものを区別できるので、温かい料理は温かい状態で、冷たい料理は冷たい状態で提供できます。盛り付けはチルド状態で行うため、衛生的にも安心で、効率よく盛りつけることができるのもポイントです。
病院食がまずいと思われてしまう原因は、食事の温度だけではありませんが、やはり、おいしい病院食にするためには、食事に合わせて適温で提供するというのは、必要不可欠になります。再加熱カートは、病院食を美味しくしてくれるための救世主ともいえるでしょう。
病院食は、患者の症状によってさまざまな形があるため、すべての患者がおいしいと感じる食事を作るのは難しいことです。しかし、彩りをよくしたり、再加熱カートの導入をしたりして、おいしい病院食に近づくためにできる工夫はたくさんあります。ご紹介したポイントを参考に、おいしい病院食を目指して、患者に楽しい食事の時間を提供してあげてください。