再加熱カートの加熱方式の種類について詳しく解説!
病院や介護施設などでスムーズな食事の提供を実現できる再加熱カート。再加熱カートはさまざまなメーカーから豊富な種類が販売されており、加熱方式の種類もいくつかあります。どの加熱方式を選ぶかによって料理の仕上がりにも違いが出るのです。この記事では、再加熱カートの加熱方式の種類について詳しく解説します。
再加熱カートの特徴
再加熱カートとは、チルド状態のまま盛りつけた料理を保存・再加熱する調理方法のニュークックチルに対応した食事用の配膳車です。再加熱カートを使用することで、従来は加熱前に盛りつけることが難しいとされていたご飯や汁物を加熱前にチルド状態で盛りつけることが可能となります。
そのため、配膳直前の盛りつけ作業を短縮でき、時間に余裕を持って食事を提供できます。再加熱カートは、多くの食事をスピーディーに配膳する必要がある病院や社会福祉施設などで導入されています。
チルド状態で盛りつけた料理は、再加熱カートの中で配膳直前までチルド保存できます。配膳時間を設定することで自動加熱されるため、配膳するときにはカートごと移動させ、料理を盛りつけたトレイを取り出すだけですぐに食事を提供できるのが魅力です。
また、再加熱カート内は温食と冷食の区域を分けられるため、再加熱時に温食のみ温めることができ、温かい料理は温かい状態で、冷たい状態で食べたい料理は冷たいまま提供できます。
再加熱カートを導入するメリット
再加熱カートを導入するうえで、どのようなメリットがあるのか知っておきたいですよね。そこで、再加熱カートを導入するメリットを3つご紹介します。
1つ目のメリットは「配膳作業の効率がアップすること」です。加熱後に盛りつけをする場合、箸やトングを使用しますが、チルド状態であれば手袋を着用した手で盛りつけができるため、従来よりもスピーディーに盛りつけられます。
また、配膳する日の前日に時間に余裕を持って食事の提供準備ができるのも魅力です。朝食を提供する場合などにも前日のうちに用意できるため、提供日当日にスタッフが早朝出勤する必要もなくなります。
2つ目のメリットは「人件費を削減できること」です。再加熱カートは盛りつけ後にチルド保存できるため、配膳時間までに余裕を持って盛りつけ作業ができます。
そのため、提供食数が多い場合でもスタッフを増員する必要がありません。事前に用意できるため、配膳日も少人数でスムーズに食事を提供できるのが魅力です。
3つ目のメリットは「衛生面のリスクを下げられること」です。再加熱カートを使用する場合、チルド状態で盛りつけ作業を行うため、常温で盛りつけをする場合と比べて食中毒菌などが増殖するリスクを抑えられます。
また、配膳直前までチルド状態で保存し、再加熱後はトレイを取り出すだけで食事が提供できるため、HACCPの大量調理施設マニュアルに定められている、調理後2時間以内の喫食を実現できるのもポイントです。
再加熱カートの加熱方式の種類
再加熱カートの加熱方式は、熱風式・IH式・加熱蒸気式・マイクロ波式の4種類あります。加熱方式によって、加熱時の特徴や料理の仕上がりなどが異なります。熱風式は、カート内に熱風を循環させることで加熱調理を行う方式です。
現在使用されている多くの再加熱カートが熱風式を採用しています。熱風式はカート内に熱風が循環することで食事に均一に熱が伝わるのが特徴です。均一に熱が伝わることで、煮物の煮崩れや麺類の伸びも防止できます。
しかし、食器によっては熱風の影響で色焼けを起こす可能性があるため、耐熱性や耐変色性の高い食器を使うことがポイントです。IH式は、電磁誘導加熱方式であるIHで加熱調理を行う方式です。
1つのトレイあたり主菜・副菜・汁物の3点の加熱ができ、それぞれのメニューに応じて加熱時間・火力の調整ができます。また、1つの食器から加熱することができ、加熱したメニューの数だけ電気を消費するため、無駄な電力を使わず、省エネ効果が高いのも魅力です。
過熱蒸気式は、過熱水蒸気を使用して加熱調理を行う方式です。熱伝導性が高いため、短時間での加熱処理できます。また、高い温度と大きな熱量をもっており、面全体を均一に加熱できるので、ご飯はふっくらと仕上がり、揚げ物もサクサクとした食感でおいしく仕上がるのも特徴です。
マイクロ波式は、電子レンジと同様の原理で、マイクロ波によって加熱処理を行う方式です。料理の中心から温めるため、加熱後に外側だけが熱く、中は冷たいという状態も避けられます。
また、加熱時の熱によって料理の品質が下がることを抑えられるのも特徴です。ほかの加熱方式に比べ、味や風味だけでなく、食材の色味などもおいしそうな状態を保ったまま仕上がります。
まとめ
再加熱カートの加熱方式には、熱風式・IH式・加熱蒸気式・マイクロ波式の4種類あります。加熱方式によって、短時間で加熱できる、料理が風味や色合いを損なうことなく仕上がる、省エネ効果が高いなど特徴が異なります。そのため、再加熱カートを導入する上で重視したい点を明確にし、利用場所に適した加熱方式を選択することがポイントです。最適な加熱方式を選択し、よりスムーズにおいしい食事の提供を実現してみてはいかがでしょうか。