ここからは、再加熱カートがどのようなものかをはじめ「再加熱カートの調理システムについて」「再加熱カート選びのポイント」などについて詳しくご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
再加熱カートの調理システム「ニュークックチル」とは

再加熱カートの調理方法である「ニュークックチル」がどのようなものか、そしてニュークックチルと似ているクックチルとはどのような違いがあるのかなどをご紹介していきます。
ニュークックチルとは
前項でも簡単にご紹介しましたが、ニュークックチルとは再加熱カートを利用する場合の調理の方法です。加熱調理をした料理を急速冷却してチルド状態にしたら、そのまま盛り付けを行いチルド保存をします。盛り付けをした食器ごとに再加熱カートに投入しておくと、設定した時間に再加熱が行われ、適温の状態で配膳ができるという仕組みです。
加熱調理後にすぐ冷却し、配膳の直前までチルド状態が保たれるので食中毒などのリスクを抑えることができるのがニュークックチルの特徴です。それに加えて、作業負担を大幅に減らせるといった特徴もあることから、多くの施設で導入されています。
クックチルとの違い
同じような言葉でクックチルというものがありますが、これも医療施設や福祉施設で食事を配膳する場合に利用する調理方法のことです。共通点としては、加熱調理して急速冷却、チルド保存までの工程が同じであることがあげられます。一方ニュークックチルと異なる点は、チルド保存後に再加熱を行い、温かい状態で盛りつけを行うという点です。
再加熱後に盛りつけを行うことから、提供数が多いほど提供までの時間がかかってしまい料理が冷めてしまうというデメリットがあります。また加熱後のため箸やトングを利用しなければ盛りつけできないものもあり、チルド状態で盛りつけるよりも時間や手間がかかってしまうでしょう。
食中毒などのリスクは加熱終了から提供までの時間が短いほど低いといわれているため、ニュークックチルに比べるとリスクが高い方法だといえます。
ニュークックチルとクックチル
給食運搬をする施設で行われている調理法であるニュークックチルとクックチルですが、ニュークックチルがクックチルの上位互換的な方法であるとイメージすると分かりやすいでしょう。さらに安全で効率よく食事の提供を行うためには、ニュークックチルに対応できる再加熱カートを導入することが大切です。
- ニュークックチルは再加熱してすぐに配膳できる方法
- ニュークックチルはクックチルの上位互換的な調理方法
合わせて読みたい記事
ここではニュークックルチルと、クックルチルの違いについて簡単に説明してきました。だいたいご理解いただけたかとは思いますが、もう少し詳しく知りたいという方もいらっしゃるかと思います。
そこで以下の記事では、ニュークックチルについてここよりももっと詳しく解説しています。気になる方はぜひこちらの記事も御覧ください。
再加熱カートを導入するメリット

これから再加熱カートの導入を考えている方の中には、もっと再加熱カートのメリットを知りたいという方もいるのではないでしょうか。ここでは、そんな再加熱カートのメリットをいくつかご紹介していきます。
作業負担の軽減
再加熱カートのメリットとして、作業負担を軽減できるということがあげられます。チルド状態のまま盛りつけができるため、箸やトングなどを使わず手袋をつけた手で盛りつけが可能です。そのためスピーディに、そして簡単に盛りつけすることができます。
またチルドで保存ができるので、朝食の準備を前日の夜にすることも可能です。これまで早朝に出勤していたスタッフの負担を抑えることもでき、働き方の改善を考えている施設の方にも大きなメリットとなるでしょう。
提供時間・人員の軽減
提供前に盛りつけをする必要がない再加熱カートは、配膳時の作業量や提供時間を減らせるというメリットもあります。1人用のトレーにセットしてからカートに入れておくことができるので、加熱後そのまま配膳ができるのです。
また盛りつけの手間がないので、提供において最小限の人員で対応できるという点でもメリットを感じられます。そのためスタッフの少ない小規模な施設などでも、通常と変わらない人数でよりスムーズに食事の提供ができるようになるでしょう。
適温で提供できる
提供前に盛りつけがあると、その時間で料理が冷めてしまうため、一番美味しい状態で提供できないという難点がありました。その点再加熱カートは、配膳時間に合わせてタイマーをセットして再加熱することができます。配膳直前に加熱することが可能なので料理を適温で提供することができ、よりおいしい状態で食べてもらえるというメリットもあります。
衛生管理の面でも安心
再加熱カートの調理方法であるニュークックチルは、調理後に急速冷却し提供直前までチルド保存されるため、食中毒菌の繁殖などの二次汚染のリスクを下げられるというメリットもあります。食中毒のリスクは加熱終了から提供までの時間が短いほど低いとされており、再加熱してすぐに提供できる再加熱カートは衛生面での管理がしやすいといえるでしょう。
特に大量調理を行うと、盛りつけに時間がかかり提供までの時間が長くなってしまいますが、そういった危険を防止することができるのです。またHACCPにおいての大量調理施設マニュアルに記載されている「調理後2時間以内の喫食」を、より確実に実施できるという点でも安心感が大きいです。
費用面でも安心
厨房設備の導入や設置や運営の資金面に関しても、いくつかのメリットがあります。再加熱カートを導入することにより、設備や調理器具を最小限に抑えることができ初期投資の資金を抑えることができます。
また加熱し続けるなどの調理方法が不要になることから、調理業務にかかる水道光熱費を軽減することもできるでしょう。また人員を最小限に抑えられるので、人件費を抑えられるという点でも再加熱カートはメリットが大きいのです。
新しい施設へは、とくに再加熱カートの導入がおすすめ
このように多くのメリットがある再加熱カート。すでに運営されている設備への導入はもちろんですが、これから新しい医療施設や福祉施設を経営する方に再加熱カートは特におすすめです。
すでに運営されている場合は設置と同時に不要な機器の撤去なども必要ですが、何もない状態なら再加熱カートをすぐに設置できますし、それに合わせた調理器具の調達などを行うことができます。再加熱カートを中心に厨房設備を整えていくことで、無駄なく効率的な提供ができる厨房を作り上げていくことができるでしょう。
- 作業負担の軽減や人員の削減などにもメリットが大きい
- 衛生管理などの安全面でも再加熱カートは役立つ
大勢の食事提供で大事なポイントは?
WEBアンケートで調査!
ここまで再加熱カートについて、さまざまな切り口で解説をさせていただきましたが、社員食堂や福祉施設などで、大勢の食事をまとめて食事を提供するにあたって、注意したいポイントもあります。
今回はその疑問を解決するために、大勢の食事を一斉に提供する場合、全員が満足するためにもっとも大切なことは何か、というテーマでアンケート調査を行いました。

もっとも多かったのは「味」で、26%の方々が重視していました。味がよくなければ、わざわざ食べようとも思いませんから、おいしさについてはいわれずともクリアしていただきたいポイントですよね。
次に多かったのが「提供までの時間」で、18%の方々が選んでいました。調理してから提供するまでに時間がかかってしまうと、当然食事が冷たくなってしまうので、なるべくスピーディーに提供してほしいものですよね。
次に「料金」が17%という結果になりました。リーズナブルな価格帯でないと、あまりその食事サービスを利用することがなくなってしまうので、元も子もありません。
続いて「見た目」は、13%の方々が選んでいました。おいしそうな見栄えの料理が提供されるとわかっていると、無意識のうちにそのサービスが楽しみになっていきます。従業員向けの食事であれば、モチベーションアップにもなるでしょう。
おなじく13%となったのは、「衛生面」でした。食事は安心・安全のもと提供されるというのは、もはや大前提でしょう。たびたび飲食店の食中毒事故や、市販されている食品に混入物があり回収するといったケースが起こっていますが、こうしたトラブルは食品を扱う企業すべてが気を使わなくてはなりません。
そして「作業効率」は、9%となっていました。調理の作業効率が上がればスムーズに食事を提供できるようになりますし、食べる人も早々に食事をとることができるため、お昼の残り時間を有意義に過ごすことができるでしょう。
そして「調理道具」は、4%の方々から選ばれていました。便利な調理道具があれば、料理のグレードや調理スピードを上げるほか、調理スタッフの負担を軽減することにも繋がるでしょう。
以上がアンケートの結果となりますが、大勢の食事を提供する上で、これらの情報は参考になりましたでしょうか? 当サイトでは、こうした食事提供が可能な再加熱カートメーカーもご紹介しています。自社や自施設に合った食事を提供するために、便利な再加熱カートメーカーを探しましょう。
次の見出しでは、再加熱カートを選ぶポイントについて解説させていただきます。
再加熱カートを選ぶポイント

それでは、実際に再加熱カートを導入する場合、何を基準に選べばいいのでしょうか。ここでは初めて再加熱カートを導入する方に向けて、再加熱カートを選ぶポイントについてご紹介していきます。
加熱方式
すでにご紹介しているように、再加熱カートには「熱風式」「IH式」「過熱蒸気式」「マイクロ波式」という4つの加熱方式があります。メーカーや商品によって方式が異なり、またそれぞれメリットやデメリットがあります。提供する料理の仕上がりにも関わる部分なので、どの方式なら納得できる仕上がりで提供できるのか、施設にとって最適なのかを検討して決めましょう。
サイズ
再加熱カートは、同じ機種でもいくつかのサイズが発売されていることが多いです。大型の施設であれば、多くの料理が入れられるもの、小規模な施設で利用するのなら小型で邪魔にならないものを選びましょう。もちろんサイズによって価格も異なるので、厨房のスペースを加味しながらどれが最適なのかを検討してみてください。
消費電力
ランニングコストなどを抑えるためには、消費電力の少ない再加熱カートを選ぶべきでしょう。加熱をするという特性からどうしても電力のかかってしまう機材ではありますが、量によって加熱する電力を変えられるタイプのカートもあるようです。消費電力については各メーカーのホームページや資料などで確認することができるので、ぜひ各社比較して検討してみてください。
使い勝手
せっかく導入するのなら、どんなスタッフでも利用しやすく使い勝手のいいものを選ぶことがおすすめです。たとえば分かりやすいタッチパネル式で、誰でも見やすく加熱の設定ができるといいでしょう。
またカート内の清掃性も重視したいポイントで、水洗いはもちろんアルコール消毒もできるようなものだと安心です。さらに狭い厨房内でも小回りが利く、安全な走行性のあるものだとどんな方でも操作しやすく安全に利用することができるでしょう。
利用の施設や目的に合わせたものを選ぼう
再加熱カートは、HACCP手法への対応としても最適な機器になっており、多くの施設で導入が進んでいます。これから導入するのなら、導入の検討をしている施設の抱えている課題や広さ、スタッフの人数といったさまざまな状況下で、より効果的に運用できるものを見つけましょう。
再加熱カートを利用することにより、スタッフの負担を削減したり安全性を高められるのと同時に、食べる方の満足度を上げることもできるはずです。まずはどのような目的で導入したいのか、現在の課題や予算などを考えた上で最適な再加熱カートを購入しましょう。
合わせて読みたいおすすめ記事
再加熱カートを選ぶポイントについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。どれも必要な機能なので、選ぶ基準にするにはおすすめのポイントです。
再加熱カートを導入するにあたって、改めて衛生管理手法について見直すことも出てくるかと思います。そんなときのために、以下の記事でHACCPについてもう一度確認してみてはいかがでしょうか。
- 加熱方式やサイズなどはしっかりと検討して選ぼう
- ランニングコストや使い勝手など使い始めてからのこともイメージして選んでみて
作業効率と温かな食事提供が再加熱カートの魅力
再加熱カートは、利用者に温かい食事を美味しい状態で提供できること、そして作業効率を高めて衛生管理もできることから、誰にとってもメリットの大きい機器です。少ない人員で運営する施設でも、再加熱カートを導入するのがおすすめです。
再加熱カートを提供しているメーカーは数多くあり、さらに再加熱カートの種類も豊富に販売されています。まずは気になるメーカーから資料を取り寄せたり一度相談をしてみたりしながら、施設にとって最適な再加熱カートを見つけてください。
再加熱カートメーカー!おすすめ比較表
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